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腰痛の原因と対処法。慢性腰痛の対処はストレッチよりも筋膜調整

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 投稿者:TRIGGER

腰痛の原因と対処法。慢性腰痛の対処はストレッチよりも筋膜調整

筋膜調整セラピストの中村です。

長引く腰の痛み、いわゆる慢性腰痛でお悩みの方が多いのではないでしょうか?

厚生労働省の調査では、国民の80%が生涯で一度は腰痛を経験し、男性の不調では腰痛が最も多く、女性では肩こりに次いで2番目に多い体の不調となっています。

しかし、これだけ多くの方が経験する腰痛ですが、対処方法はさまざまで確立されたものはありません。
特に慢性腰痛では、関節や筋肉など構造上の問題がないにも関わらず、痛みや不快感が持続することが多く、心理的・社会的なストレスなども影響されると言われています。

そんな中、当サロンでは長引く腰痛は筋膜が原因となっていると考え、筋膜調整を使って症状を改善させています。
筋膜は痛みやしびれの原因にもなり、あたかも腰そのものが悪いように振る舞っていることが多いのです。

長引く腰痛、慢性腰痛にお悩みの方はどうぞご一読くださいませ。

 

腰痛の原因が筋膜だと言える3つの理由

①腰痛の原因が腰そのものにはない

腰痛の原因は痛い場所、すなわち腰そのものにある。とお考えの方も多いのではないでしょうか?

もちろん、腰のまわりの色々な組織が壊れたり炎症を起こしていることで痛みを感じている場合もあります。

ですが、腰痛のない人を対象とした研究で、腰痛がないにも関わらず、椎間板が潰れていたり、ヘルニアが飛び出していた方が、50代では60%以上もいらっしゃったと聞くと、『腰痛の原因は腰にはないのかも』となるのです。
<関連記事はこちら>

 

私も整形外科クリニックで13年間勤務し、述べ6万人の方を担当してきました。もちろん、腰痛でお困りの方もたくさんみてきました。

外来整形外科ということもあって、治療の第一選択はリハビリテーションです。なので、必ずと言っていいほど、私たち理学療法士が関わりました。

過去の経験から言いますと、レントゲンやMRIなどの画像所見と症状はほとんど一致していません。レントゲンやMRIで変形が見られない方にとても強い腰痛がでていたり、変形は強いのに腰痛は軽いといった方をたくさん経験させていただきました。

こうした経験からも、上述した研究結果はあながち間違っていないこと、そして、レントゲンやMRIなどの画像に写らない場所に痛みの原因があり、それが筋膜だと考えています。

 

②筋肉よりも筋膜のほうが痛みを感じている

痛みを感じるということは、そこにはセンサーがあることを示しています。

そのセンサーの数によっては痛みを感じやすかったり、感じにくかったりするのです。

実は、この痛みを感じるセンサーの数が、筋肉に比べ、筋膜では10倍も多いことがわかっています。
要するに、痛みは筋肉よりも筋膜であることがほとんどであるということです。

筋肉の問題であれば筋肉に対処する必要がありますが、痛みを10倍も感じている筋膜が原因であるとすれば、筋膜に対処しないと痛みが解決しないことになります。さらに、痛みの特徴として、筋肉の痛みは鈍い痛みがでますが、筋膜は鋭く燃えるような痛みが発生します。加えて、筋膜の痛みは長引き、しかも広範囲に広がる傾向があります。

このような特徴もあり、筋肉の痛みよりは筋膜の痛みであることがほとんどだと確信しています。

 

③姿勢や動きのくせも筋膜が原因となっている

姿勢の悪さは腰痛の直接の原因ではないという研究結果がでています。このことから、姿勢自体は痛みと関係はないようです。むしろその逆で、痛みや不調のせいで、その姿勢しかとれないと考えるほうがよいかもしれません。

そして、ここでも大きく影響するのが筋膜です。

筋膜の特性上、伸ばされたら縮んで元の形に戻るというゴムの性質があります。

しかし、伸ばされ続けたゴムはどうなるでしょうか?

そうです。弾性力が失われ、元に戻らなくなってしまいます。

これを猫背の姿勢で表すと、体の前側は縮み、後ろ側は伸びてしまいます。ここから姿勢を戻そうとしても、筋膜の伸び縮みが変化してしまい、元にもどりません。

戻したくても戻らなくなってしまうんです。

痛みを避けた姿勢が長引いて、筋膜の形を変化させてしまった結果が、今ある姿勢から抜け出せない状態を作っているのです。

筋膜は痛みの原因にもなり、さらに偏った姿勢や動き方を作り出します。そのため、一部の筋膜はより硬くなり、さらなる悪循環に陥ってしまうのです。

 

慢性腰痛の原因は過去にある

筋膜の動きを考える時に、とても大切な要素があります。

それがヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸は筋膜のまわりにたくさんあって、潤滑油の役割を果たしています。
<筋膜とヒアルロン酸の詳しい説明はこちら>

手術やケガによる炎症、またその時に体を固定して動かせない状況が作られると、ヒアルロン酸の性質がベトベトの水のりのように変化し、筋膜の動きを悪くします。

この手術やケガは、いくら昔のできごとであっても影響しています。

筋膜は、全身をボディスーツのように包んでいます。そのため、過去のケガで動きの悪くなった部位があると、それは全身に影響を及ぼします。
過去にケガをした場所の筋膜が動かなくなると、隣り合う筋膜も同時に引っ張ってしまい、結果として遠く離れたところでも筋膜の痛みが出現してしまうのです。

今回は、過去のケガから腰痛が長引いていると考えられた方の施術をご紹介いたします。

 

慢性腰痛に対する筋膜調整の効果

Aさん(30代,男性)

23年前にスポーツ中に腰を強打してから痛みが続いています。
さらに3年後の20年前に交通事故で膝と足首を痛め、この時、右膝は手術をしました。
7年前はきっかけなく左足首が痛くなり、トゲが出ているということで手術をしています。

23年前からの腰痛が今まで続いているため、腰の打撲と交通事故、左足の手術、これらすべてが影響していると考えて施術を勧めていきました。

 

痛みを感じている腰まわりには筋膜の動きが悪いところはほとんどありませんでした。

 

施術後の反応はこちらです

施術前に比べ、動かせる範囲も広がり、腰の痛みもほぼなくなりました。

 

 

さらに、Aさんは右膝が痛くてしゃがめない状態が20年続いていました。

腰痛が主な症状でしたが、膝の状態も変化しましたのでご覧ください。

 

慢性腰痛の対処方法はストレッチよりも筋膜調整が重要な理由

慢性腰痛の対処法として、ストレッチを選択することも多いと思います。

もちろんストレッチが悪いわけではありませんが、『動かさないといけない場所が動かせていない』場合はどうでしょうか?

過去の怪我によってヒアルロン酸がベトベトになり、筋膜の動きが悪くなっている状態では十分にストレッチはできません。むしろ、よかれと思ってストレッチをしていたとしても、必要なところはストレッチされず、必要のない場所ばかり伸ばされているかもしれません。

そのため、ストレッチよりもまずは筋膜の動きの悪いところを調べ、解決したあとにストレッチをするべきです。
ストレッチをするべき場所を適切に動かせる準備ができてから、動かすことが効果的なのです。

筋膜の動きが悪くなると体をうまく動かせなくなるため、ストレッチや体操の効果が激減してしまうのです。

『まずは筋膜、次に運動』

この順番が非常に大切です。

 

まとめ

慢性的に長引いている腰痛で、過去に腰以外に怪我や手術をしている場合、その影響が続いている可能性が非常に高いです。

ストレッチなどの運動が良いとわかっていても、動かしたい場所を正しく動かすにはしっかりと筋膜が動くことが前提になります。

ただし、筋膜の動きが悪くなっているかどうかは、直接触れて動きを確認するしかありません。

腰痛の対処として、腰自体の施術はしたけど、過去に怪我した場所はみてもらっていない。
レントゲンやMRIでは異常はないけど慢性的に腰痛が続いている。

そんなときは、筋膜の状態を確認することを強く推奨しております。

一度お気軽にお問い合わせくださいませ。
私たちがお役に立てるかもしれません。

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