顎関節に対する筋膜治療のスペシャリスト・誕生!

顎関節に対する筋膜治療のスペシャリスト・誕生!

8/31-9/1の2日間

ブラジルより顎関節に対する筋膜治療のスペシャリストをお招きして,
「顎関節に対する筋膜の評価と治療」について講習会を開催させて頂きました!

講師は, 顎関節症に対する筋膜調整の実績が豊富なMarco Pintucci先生

通訳はFascial Manipulation®国際コースやその他多くの通訳実績をお持ちの須賀 康平 先生です。

マルコ先生はイタリア発祥の筋膜治療であるFascial Manipulation®︎の国際インストラクターでもあり, トリガーのスタッフもとてもお世話になっている先生です。


顎関節WSテキストの表紙です!
なかなか, カッコいい仕上がりになりました。

 

 

 

顎関節の痛みの原因は筋膜にある!?

顎関節症の初期治療の第1選択は, 筋膜・筋肉に対する治療なのはご存知ですか?

近年, アメリカ口腔顔面痛学会でも顎関節障害の症状や重症度の分類の中に「筋膜痛」という用語が明記されたのです。

これは, 顎関節の症状は「関節」によるものだけではなく, 筋膜(筋肉も含む)の重要性を意味しています。

特に顎関節症の初期段階では関節の変形が認められないものの, 顎を動かすと痛いという方が多いため, 筋膜や筋肉のコリや硬さが原因で症状が出ていると考えられています。

実際に顎関節の痛み, 口が開きにくい, 口を開けたり閉じたりすると音が鳴るといった場合, 顎まわりや, こめかみまわりの筋膜に硬さや痛みを見つけることが多く, 人によっては首や肩, 背中のあたりの筋膜に硬さを見つけることもあります。

顎関節症の原因ははっきりとはしていませんが, 夜間の歯ぎしりや日中に頻繁に歯を接触させる癖が筋膜痛に発展したり, 猫背でアゴを前に突き出したような姿勢の習慣がアゴまわりの筋膜・筋肉が硬くするとも言われています。


まずは筋膜の解剖学から学んでいきました。

 

 

ストレスが原因でも顎関節症になるって本当?

今回のマルコ先生の講義の中でも, 顎関節症は色んな要因が重なって発症することを強調していました。

心理的ストレスとの関係を報告している研究もありますが, ストレスと痛みが直接関係しているというよりは, ストレスによって歯ぎしりや日中の歯のすり合わせ癖などにつながり, その習癖の結果として, 筋膜痛に発展するのではないか?という見解となっているようです。

また, 夜間の歯ぎしりや無呼吸が睡眠の質を低下させてしまい, 顎関節の痛みを余計に助長してしまうことも考えられます。

ストレスが直接, 顎関節を変形させるわけではなく, ストレスによって生じる体の反応(食いしばり, 歯ぎしりなど)が, 習慣的かつ慢性的に顎関節に負担をかけてしまい, 結果として筋膜や筋肉の痛みを発生させてしまうのでしょう。

 

 

顎関節症ってどんな症状があるの?

顎関節症の症状はさまざまです。

典型的な症状としては,

・口を開けたり閉じたりのアゴの痛み
・口が開きにくい(開口制限)
・急激なかみ合わせの変化
・頭, 歯, 耳など顔面領域の痛み

などの症状があります。


<顎関節の症状を細かく解説してくれているマルコ先生>

 

さらに, アゴまわりの症状に加えて合併しやすい症状としては

・首や肩のコリ, 痛み
・胸や背中のコリ, 痛み
・慢性的な疲労感
・鼻づまりや耳閉感などの耳鼻科的症状

などが多いようです。

顎関節症といってもアゴ周辺の症状だけでなく, 顔や首, 胸部あたりまで広範囲の不調につながる可能性があるんですね。

 

 

顎関節症はどうやって改善させていくの?

では, 実際に顎関節症の痛みや口の開きにくさ, 頭痛や肩こりといった症状をどのように解決していくのでしょうか?

今回は筋膜調整による症状の解決の仕方をご紹介していきたいと思います。

まずは顎関節まわりの筋膜をさわってみよう

筋膜は筋肉を個別に包み, 筋肉を形つくっている膜です。

そして, 筋膜の中には, 痛みを感じる神経もたくさんあって, その数は筋肉の10倍もあると言われています。

そのため, ほとんどの痛みは筋膜のいたみである可能性が高いのです。

さて, 実際に硬くなりやすい, そして, 痛みを発しやすい場所はどのあたりでしょうか?

実技ではマルコ先生が丁寧に指導してくださいました。

顎関節の痛みやコリ, 頭痛がある方は図で示したような場所を実際に触ってみて下さい。

どうですか?

圧迫して動かしてみるとどうですか?

いつもの痛みに似てますか?

似ていたらその部位の筋膜の硬さが大きく影響している可能性があります!

でも顎関節まわりに硬さや痛みが全くない!という方も多いはず。

そうなんです。

問題は「痛みのある場所」にあるとは限らないのです。

 

筋膜はつながっている‼

筋肉を包み, 筋肉を形つくっている膜が筋膜なのですが, もう一つ重要な特徴があります。

それは

筋膜は, 隣り合う筋肉・筋膜ともつながっており, 遠く離れた部位に影響を与えたり, 逆に影響されたりする構造となっているのです。

例えば, 遠く離れた胸や背中の筋膜が顎関節の症状に影響しているというケースもあるのです。

では実際に顎関節から少し離れた場所も触ってみましょう。

どうですか?

もし, 顎関節にひびいたり, いつもの頭痛が再現されるようであれば, 普段感じている場所から少し離れた場所の筋膜が悪さをしている可能性があります。


首の筋膜は触るのが難しいので一つ一つ丁寧にアドバイスをしていきました。

 

 

意外と多い!? 顎関節の痛みに影響する肩や胸の筋膜

筋膜の施術をしていると, まさか!?と思う場所の施術で劇的に症状が変化することも多くあります。

例えば, 首の施術で足の痛みが無くなったり, 背中の施術で指の痛みが無くなったり。

もちろん顎関節の痛みや動きの悪さに対しても, 遠く離れた肩や胸の筋膜が大きく影響している場合もあります。

例えば, 胸の前側で影響が強い場所はこちら

背中側であればこのあたりになります。

どうですか?

いつもの痛い場所に響いたりしませんか?

または, いつも症状は感じていないのに, 触ると激痛が走ったり, 異常にコリ固まっていたりしませんか?

もし当てはまったのなら, 遠く離れたその場所が, 現在の顎関節の痛みや口の開きにくさにつながっている可能性があります。


みなさん, 真剣に触診の練習をしています。

 


実技練習中

 


須賀先生も積極的に実技指導してくださいました。

 

マルコ先生による治療デモンストレーション

 

 

まとめ

顎関節症の特に初期段階の治療の第一選択は筋膜や筋肉への施術やケアです。

顎関節の痛み, 口の開きにくさ, アゴ凝りに加えて, 頭痛や肩こりなどは痛みが出ている部位の筋膜だけでなく, 少し離れたところにある筋膜の影響も考えながら施術していくことが重要です。

そのため, 痛みがまだ軽いうちにしっかりと専門的な施術を受けられることをオススメいたします。

もちろん, 顎関節の変形や症状によっては歯科医師など他職種と協力していく必要がありますので, ご不安な方はかかりつけの歯科医師と相談のしながら進めていくと良いと思います。

今回のワークショップも, 歯科医師をはじめ, 鍼灸師, オステオパス, 理学療法士, 柔道整復師と多職種の先生方が受講してくださいました。

多職種で連携して, 顎関節治療を進めていきたいと思っております。
ご参加いただいた先生方ありがとうございました。


<チーム TRIGGER>

ワークショップ終了後にマルコ先生と顎関節WSについての対談をしました!
顎関節症に対する筋膜調整の可能性やスタッフの感想をリラックスしたムードでお届けいたします。

対談動画はコチラ▼

 


<顎関節の痛みやコリ, 頭痛や慢性的な肩こりでお悩みの方へ>

顎関節症の治療はしているけど, 筋膜の施術を受けたことがないという方は, ぜひ一度お気軽にご相談くださいませ。

 

TRIGGER 中村

 

 

 

 

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  1. 理学療法士 トリガー代表 半田学
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  4. 筋膜調整セラピスト 松原さち