筋膜ケアとエクササイズ 第2弾(F-キネーシス 様)

筋膜ケアとエクササイズ 第2弾

 

6月29日(土)
F−キネーシスさまからのご依頼をいただき
「筋膜ケアとエクササイズ」講習会の講師をさせていただきました。

今回のテーマは
「肩こり, 首こり」

上半身のケアを中心にお届けしました。

 

会場は江東区のティアラこうとう

開放感もあって, とても素敵な会場でした!

 

 

運動をする際に押さえておくべき“そもそも論”とは?

運動を指導をする立場でも, 運動を実践する立場でも, 必ず押さえておかなければならないことがあります。

それはなにか?

「すべての運動には衝撃が加わる」という事実です。

詳しい説明は割愛しますが, 地球という重力環境で動く時には必ず体に衝撃が加わります。

自分で発揮した力と等しい分だけ, 自分に跳ね返ってくるのです。

 

この跳ね返ってくる力に対する振る舞いが, ケガを予防できるかどうかの重要な能力になるのです。

 

果たしてどんな能力でしょうか?

 

それが

『衝撃吸収能力』です。

 

跳ね返ってくる衝撃を吸収できるかどうかで, 体に加わる負担, 蓄積する負担が大幅に変化します。

 

ビー玉とスーパーボール

ベランダから落とした時に壊れやすいのはどちらでしょうか?

答えは簡単でしたね。

 

ケガを予防するためのに必要な衝撃吸収能力とは?

スーパーボールのように地面からの衝撃を吸収できれば, 体が壊れにくいのは容易に想像できます。

では, 体に備わっている衝撃吸収能力とは一体・・・

 

実は『柔軟性』なのです。

 

ただし, 単に

「開脚が180度開きます」

「前屈したら手のひらが床にベターっと着きます」

といった柔らかさだけではありません。

 

抽象的な表現にはなりますが

『しなやかさ』です。

 

みずみずしい, 青々とした竹のようにしなる強さや柔らかさを兼ね備えた状態です。

そして, この衝撃吸収能力をもっとも発揮できる組織が

『筋膜』『背骨』なのです。

 

 

衝撃吸収能力からみた筋膜

ここでは
①筋膜と動きの関係とは
②衝撃吸収としての筋膜とは
③筋膜の機能を失うある条件とは

この3つを解説していきましょう。

 

筋膜と動きの関係とは

今回は人の動きへの影響が大きい2種類の筋膜について説明していきました。

1つは筋肉自体を包む筋外膜

もう1つは, 隣り合う筋肉どうしをつなぎ全身をボディースーツのように覆う腱膜筋膜

これらの筋膜は

・痛みを伝える神経

・関節の動きや触れた圧を感知するセンサー

も包んでいます。

 

さらには, 筋肉に力をいれるスイッチの役目を果たすセンサーまでもつながっています。

 

そのため, 筋膜の動きが悪くなると

・動きが硬くなる

・痛みを感じる

・片足立ちなどのバランス感覚が悪くなる

・力が入りにくくなる

などの問題が出てくるのです。

 

まさに, 筋膜は人の運動に直結する組織の1つと言えます。

 

衝撃吸収としての筋膜

筋膜を考えるとき, 筋膜のまわりの組織のことは切っても切り離せません。

なぜなら, 筋膜とまわりの組織はびっしりとつながっているからです。

解剖の本などでは, 説明をわかりやすくするために各層ごとにきれいに分けて記しています。

ですが, 実際にはきれいに分けられることは難しく, 層の境目がわからないほど
線維成分, 基質成分(水分やヒアルロン酸), 細胞が張り巡らされており,
線維ネットワークと呼ばれるものを作っています。

この線維ネットワークは, 外部からの刺激やストレスに応じて,

伸び縮みし, すべり合い, 時に分裂し,
ストレスが加わらなくなれば
また元の状態へ戻っていく

というように, まさに衝撃を吸収するように働いているのです。

ただし, 筋膜を含む線維ネットワークはある条件によって, その機能を失ってしまいます。

それは何なのでしょう?

 

筋膜の機能を失うある条件とは

人の動きに大きな影響を与える筋膜

そして

筋膜を含む線維ネットワーク

これらは, ある条件によってその機能を失ってしまいます。

 

そのある条件とは

『脱水』です。

特に, 局部の脱水です。(口から摂取する水分ではなく)

 

この脱水状態を作り出すのがいわゆる, ケガです。

・ネンザや骨折などケガをしたときの炎症

・ケガをして固定して動かせない時期があった

・同じ作業を繰り返すことで同じ筋肉と筋膜に習慣的に負担がかかっている

これらは, 局部的に脱水を引き起こし

筋膜の間にあるヒアルロン酸の性質をベトベトの水のり状態に変え, 筋膜の動きを悪くします

 

その他の組織であれば

伸び縮みができず, すべり合うこともできず, 栄養が行き届かない細胞は死滅します。

もちろん, カサカサの脱水状態なので, 衝撃なんて吸収できるはずもありません。

 

 

衝撃吸収からみた背骨

背骨も衝撃吸収としての役割に長けていると考えられています。

その理由を解説していきましょう。

 

S字のカーブによるサスペンション機能

首, 胸, 腰とそれぞれ連なっている背骨ですが, 全体を通して「S字のカーブ」を描いています。

実は, このS字カーブのおかげで, 体の衝撃を吸収してくれているのです。

車でいうサスペンションの役割です。

 

上半身の動きであれ, 下半身の動きであれ

背骨のS字カーブを通して衝撃が吸収され, 残ったストレスが末端にある各関節へ波及していくと考えられているのです。

 

俗にいう「ストレートネック」

これは首のカーブが失われていることを指します。

 

ということは, S字の衝撃吸収能力が十分に果たせないわけですから, どこかに負担が集中するのも無理はないのです。

 

関節の数が多い

背骨は上の骨と下の骨で関節を形成しますが, それが首から尾骨までとなるとかなりの数になります。

関節の数が多いということは, それだけ, 動きに多様性があるということになります。

言い換えれば, 負担を分散させる能力に長けているということです。

また背骨の間にはクッションとも言える椎間板もあり, 背骨全体として負担を分散させる構造をなしているといえるのです。

 

体積が大きく, たくさんの筋肉・筋膜が集中している

背骨は肋骨や胸の骨とも関節を作り, いわゆる「体幹」を作り上げています。

体幹部にはたくさんの筋肉がくっついているため,
その分, 筋膜や筋膜を含む線維ネットワークの分布も多くなります。

これは, 衝撃吸収をする組織の占める容積が単純に大きいことを意味しています。

そのため, 肩, 肘, 手首など小さな部位への負担を吸収するにはもってこいなのです。

逆に, 体幹部が衝撃吸収としての役割を果たせない状況にあるとすれば,

末端の小さな関節や筋肉では, 十分に負担を吸収することができず,
痛みや硬さなど不調として現れてくること間違いなしでしょう。

 

ケアするのは筋膜から?それとも背骨から?

筋膜も背骨も, 働きが悪くなると人の動きにとっては良くないのはお分かりいただけたかと思います。

では, ケアをしていくのは筋膜からが良いのか?それとも背骨からが良いのでしょうか?

 

即答で「筋膜」です。

 

なぜなら・・・

 

筋膜, または筋膜を含む線維ネットワークは, 全身のありとあらゆるところに張り巡らされていることをお伝えしました。

では, 筋膜の動きが悪くなり, そのせいで, 全身を包むボディスーツ自体の形が歪んでしまっていたとしたら・・・?

 

そうです。

 

今, 目の前でとっている悪い姿勢, 偏った姿勢, 動きの癖,

その全てが, 筋膜というボディスーツの歪みから来ているとも考えられるのです。

 

なので, まずは筋膜の動きを開放してあげて, 自由に動けるボディスーツを再獲得します。

その次に, 衝撃吸収として影響の大きい背骨や体幹部の動きを促していくのです。

 

まずは筋膜, 次に運動(ここでは背骨の運動)

 

この順番がとても大切だとお伝えしました。

 

動きの偏りをセルフチェック

首, 肩, 腰, の動きをチェックしました。

それぞれ, 前後, 左右, 捻りという, 3つの運動方向を確認しました。

 

人は日常ではほとんど決まった動きしかしていません。

いわゆる習慣化された動きです。

 

脳が省エネのために動きを習慣化しているとも言われていますが

筋膜の観点からお伝えすれば「その動き, その姿勢しかできない状況だから, そうするしかない」

とも言えるでしょう。

 

さて, 動かしやすい方向と苦手な方向, 少し努力をしないと動かせない方向

いろいろな気付きがありましたね?

動きにくい方向がわかれば, それは全てご自身の「伸びしろ」です。

 

動ける範囲や方向が増えれば, それだけ負担を分散させやすくなります。

 

動きのバリエーションが増えることこそ, 負担を分散させる真髄とも言えます。

 

首や肩のコリを解消して, 動きを変えるために「まずは筋膜」

肩こりには肩をほぐす, 首の動きを良くするには首をほぐす。

果たして, 本当に解決するのでしょうか?

もちろん必要ならばほぐしますが, ほとんどの場合, 症状が出ている場所には問題がないことが多いのです。

その理由は何だったか覚えていますか?

 

筋膜は全身を包むボディスーツです。
そのため, 肩や首がこっていたとしても, 原因は他の場所にあるかもしれないのです。

 

また, 原因が他の場所にある理由が「過去のケガ」がキッカケである可能性が非常に高いため,

・ひどい肩こりの前に肘をケガしたことがある

・首の動きが悪くなるより前に, 手首の骨折をした

など, 過去の不調のを思い出してケアをしていく必要があるのです。

 

 

今回は, それを体験してもらうために, 指の筋膜ケアから始めていきました。

指の筋膜を数箇所ほぐしてもらったあとに, 先程チェックした, 首, 肩, 腰の動きをもう一度, 確かめてもらいます。

すると

「あれ!? さっきより首が動く!!!」

「肩の動きがぜんぜん違う!」

あちらこちらから驚きのリアクションが!!!

もちろん, まだ変化が出ない方もいらっしゃいます。

 

そのまま, 手首, 肘, 肩, 顔

それぞれの部位で数箇所ずつ, そして, 各部位が終わるごとに動きをチェックしてもらいました。

 

最後の「顔」をほぐし終わる頃には, ほぼ全員が, ほぐす前よりも肩・首・腰の痛みや動かせる範囲に変化が感じれたと思います。

これが筋膜ケアの面白いところなんです!

 

衝撃吸収能力を高めるために「次に運動」

筋膜がケアできたことで, 体を包むボディスーツの形も自由に変えられる状態になりました。

そうなると, 次は運動です。

 

今回は特に背骨の運動を重視しました。

 

ですが, 運動を行う前に考えないといけないことがあります。

何だったでしょうか?

 

 

「運動段階」でしたね。

 

 

「単純な運動」と「複雑な運動」, どちらが簡単にできそうですか?

 

答えはもちろん「単純な運動」です。

 

 

運動は, 動かす関節や筋肉の数が増えれば増えるほど「複雑な運動」になります。

「複雑な運動」は「単純な運動」の組み合わせであり,
「単純な運動」を痛みなくできることが, 「複雑な運動」を行う最低条件とも言えます。

 

逆に, 複雑な運動で痛みがある場合, そのまま続けていても解決にはなりません

 

一度単純な運動に運動の段階を落とし,

どの動きで痛いのか?どの動きが苦手なのか?

分析することが大切なのです。

 

 

この運動段階を頭に入れたまま, エクササイズ開始です!

「単純な運動」として, 四つ這いや膝立ちの姿勢でできるエクササイズから開始しました。

背骨の運動も, 前後・左右・捻り, という3つの運動方向で構成です。

その中でも, 苦手な動きを見つけて, 少しずつ動かしていきます。

皆さん真剣です。

前後の動きは日常でも多いので比較的簡単でしたが
左右の動きになった瞬間, あちこちからうめき声が・・・

やはり動きの偏りがあったんですね!

もちろん, 捻る動きでは, さらなる悲鳴が!!!!!!

 

 

そして, いよいよ次は立って行う「複雑な運動」へとレベルアップ!

立って行うエクササイズも, もちろん3つの運動方向

みなさん, 得意な方向と苦手な方向をしっかりと捉えることができていました!

すべてのメニューが終わる頃には, 不調からの開放となんとも言えない達成感に包まれていましたね。

 

まとめ

人が動く時には必ず衝撃が加わります。
そして, ケガや不調を防ぐには, 衝撃を吸収できる筋膜と背骨の柔軟性が必要です。

筋膜には全身を包むボディースーツのような種類もあり, 筋膜が硬くなるとボディスーツの形も歪んでしまいます。

その結果, 背骨の動きも硬くなります。

なので,

まずは筋膜をほぐしてボディスーツの歪みを取り除き, 次に背骨を動かす運動へ移行していきましょう。

 

『筋膜ケア→単純な運動→複雑な運動』

この順番ですよ!

 

ご自分の体や生徒さんの状態に合わせた運動段階を選択していきましょう。

 

 

筋膜をケアすることは, 大きな可能性を秘めています。

筋膜をケアすることを知らない, または, 伝えないのは, 人の健康にとって大きな損失でしかありません。

今回の講義をまずは身近なところからぜひとも実践していただきたいです!
そして, 一人でも多くの方に筋膜ケアを含めた柔軟性の大切さが広まっていくことを切に願っております。

「まずは筋膜, 次に運動」が, みなさんの合言葉になりますように!

 

 

お声がけいただいたF−キネーシスの皆さま, ありがとうございました!


どんどん活用してみてください!(お決まりの「T」RIGGERポーズ!)

 

 

TRIGGER 中村 雄一(筋膜調整セラピスト・理学療法士)

 

 

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